Amazon Web Services 実績例

※ 本掲載記事は適宜アップデートされる可能性がございます。予めご了承ください。

対応実績 2019年〜2020年

既に本運用は停止しております。ご参考までに掲示したままにしておきます。

ご要望

オンプレミス環境で Ridoc Document System を運用中のお客様より、社内から物理サーバーを排除し、クラウド環境へ移行したいというご相談を受け、本プロジェクトを開始しました。

環境構築

  • AWS EC2 インスタンス(Windows Server 2018)
  • Ridoc Document System(業務ソフトウェア)
  • VPN(AWS Site-to-Site VPN)
  • ルーター

Windows Server の実装とネットワーク検討

オンプレミス環境とクラウド環境での Windows Server OS の基本動作に大きな差異はありません が、クラウド環境では ネットワークトラフィックの影響が重要な検討項目となります。

今回のケースでは、複合機からのスキャンデータ(数MB〜数百MB)をクラウドへ転送する必要があり、複数台の複合機が同時にファイル送信することによるネットワーク帯域の圧迫が懸念されました。

事前に回線速度を測定したところ、上り/下りともに 800Mbps程度の帯域が安定して確保されており、通信環境としては非常に優秀でした。

VPN 構築

VPN 接続は、ルーターと AWS Site-to-Site VPN の組み合わせにより、スムーズにトンネリングが確立できました。
BGP ピアの確立も安定しており、接続断などの問題も一切ありませんでした。

コスト最適化(リザーブドインスタンス)

AWS では、一定期間の利用が想定される場合に 「リザーブドインスタンス」 を設定することで、運用コストを大幅に削減できます。
今回もこの仕組みを活用し、EC2 インスタンスの運用費をおよそ半額程度に抑えることができました。

総括

AWS のようなクラウドインフラを利用する際は、クラウド事業者の SLA(サービス品質保証)が必ずしも 100%ではないことを理解しておく必要があります。

実際に本事例では、AWS 側の大規模障害(稀なケース)に遭遇し、平日に Ridoc が 1日丸ごと使用不能となる事態が発生しました。

この障害について AWS に問い合わせたところ、「利用規約上の範囲内」として返金や補償は一切ないとの回答でした。

このように、クリティカルな業務システムをクラウド上に構築する場合には、単一クラウドへの依存を避け、冗長構成(他クラウドとの併用やバックアップ体制)を検討することが重要です。
万が一の障害に備える設計が、クラウド運用には不可欠です。

現在は事業所の都合により Ridoc の運用を停止しておりますが、本事例はクラウドサービスの利活用例として、非常に示唆に富んだケースであると考えています。

Ridoc に限らず、ファイル転送などを含むクラウド環境での業務運用をご検討中の中小企業様は、ぜひ本事例をご参考に、

当社までお気軽にお問い合わせください。