Google Cloud Platform 実績例
※ 本掲載記事は適宜アップデートされる可能性がございます。予めご了承ください。
対応実績 2016年〜2024年現在
要件
自社ホームページを立ち上げたい
自社ECサイトを立ち上げたい
環境構築
必要な環境
概要
” ホームページを立ち上げたい” というご依頼から、” WordPressで運用する” といった案件を数多く手掛けています。
下記の記載内容は、これまでに関連するご依頼を過去に遡り、総合的な観点から取りまとめたものです。
そして、現在に至るまでの対応を織り交ぜて記事としております。
はじめに
一言に、ホームページと言っても運営者と閲覧者では、ホームページに対する考え方が全く異なってきます。
(ホームページを立ち上げたい人)≒(見ている人)
実は、ホームページを立ち上げたい人にとっては、立ち上げようと思った瞬間からものすごく大変な作業が待ち構えていることになります。
他力本願では満足度の高いホームページが出来上がることはないでしょう。
例えば、自社の情報を掲示したいときに、その全体構成から情報を取りまとめ、最終的には色合いやデザインまでを判断しなければなりません。
当社のような組み込み作業者の立場とは実務作業が異なりますので、別の労力を伴ってきます。
今や無料ホームページを謳ったサービスも数々ございますが、例えこれらサービスを利用したとしても運営者ご自身の思考がまとまっていなければ何も出来ないのです。
まず重要であるのは、どのような情報をホームページ化したいのかを改めて考えて整理していくことでしょう。
ホームページの目的
ホームページではこれらの情報を広く(世界に)宣伝する事が目的の一つとなります。
情報を細分化していった場合にメニュー化や文章化が出てきます。
ホームページ化をするにあたってこれらの題材が無ければ、もちろんのこと「その内容」が無いわけですからホームページ化は容易なことでは有りません。
近年は、写真などにより主たるアピールが行えるようにはなってきました。
見栄えの良いホームページ、閲覧者に見てもらえるホームページ、とはデザイン面だけではない他の要素も重要です。
それは、的確にメニュー化されていて内容の伴う情報が掲載されているホームページにすることであり、これ以外に他なりません。
これら題材がある程度整ったとして、次は色合いやデザインを決めていくことになるでしょう。
これとは逆に、デザインフレーム(器)だけを用意してそこに情報を考えて組み込んで行く制作方法もあり、WordPressを使う場合はこの手法が当てはめられるケースもあります。
当社ではデザインを生業としていないため、込み入ったデザインが必要な場合にはデザイナー専門業の方、パートナー企業にこれらを発注する流れをとっています。
WordPressを用いる場合には、デザインテンプレート、テーマを用いることで、これらデザイン作業の代替えがある程度は効く時代になってきました。
見栄えについては、比較的簡単に整えられます。
代表的なWordPressプラグインとしては下記のようなページビルダーと呼ばれるものがあります。
企業体やサービスによっては、重要な「企業ロゴ」をしっかり作成しなければなりませんので、これらは専門的なデザイン知識が必要になってきます。
WordPressへの組み込み
題材(情報)が整った後に、これらをホームページとして WordPress に組み込んでいきます。
GCPインスタンスに環境構築する際は、デプロイメントマネージャー(DEPLOY MARKETPLACE SOLUTION)を用いて、必要なソリューションを組み込むことでソリューションへの理解は必要なものの、短時間でWebサーバーが立ち上げられます。
イチから環境設定をしたい特殊なケースは別ですが、Webサーバー程度の場合にはこの仕組を用いるのが最良でしょう。
これこそがGCPを使う一つの醍醐味でもあります。
ある程度パッケージ化されたソリューション(例えば今回のように、Linux Debian OSに Nginx と WordPressをパッケージ化したソリューション/もちろん動作検証済み)などが豊富に存在しますので、慣れるまで選択には苦労しますが、何度かチャレンジしているとこの便利さは外せないものとなります。
WordPress はここ近年のアップデートによりとても良く出来たフレームワークとなっており、CMSツールとしては世界の市場シェアの43%という 統計も出ています。(2024年9月)
何かしらのフレームワークを用いることは、運営者(依頼者側)と制作者とのやり取りにおいても時間的な短縮が見込めます。
プレビューを提供すること(制作段階の擦り合せ)が当たり前の作業内容となっていることも有り、制作者としても有用な仕組みが備わっていると感じます。
WordPressなどのCMSツールを使わずしてスクラッチでHTMLやCSSを用いてコーディングすることは、現代では限りなく少なくなっているのかもしれませんね。
無償ソフトウェア
WordPressでは、ホームページを構成するデータの蓄積にデータベースとしてMySqlを用いています。
これは古くからあるとても優秀なデータベース製品ですが、実際のところ閲覧者は意識をすることが殆どないことでしょう。
実はこれらの製品は全て無償で利用できるものです。
そもそも、これらを動作させる母艦OS(Linux distribution)こそ無償であり、Web Server(Nginx)も無償なのです。
話がそれましたが、これらの複数のソフトウェアを無償で利用できる恩恵を受けてホームページ公開を行うわけですが、無償で有るが故に運用中に何かが起きてもこれらは利用者の責任となります。
頻繁では有りませんが、セキュリティアップデート(脆弱性対応の更新)などで製品の更新が必要となってくるケースがあります。
これらは出来る限りの対応は全て当社にて行っています。
ホスティング
当社では、基本的にWordPress等、データベースが必要な場合はシングルインスタンスで提供する方針としています。冗長性を持たせたいシステム構成の場合はまた別となります。
一つのインスタンスで複数のユーザー、複数のドメイン運用を取り込まない状態となります。
この方針は、管理の都合上でも利便性があります。
また、閲覧者から見たときに「遅い」ホームページだと思わせないための配慮でも有ります。
冒頭にも書きましたが、無料ホームページなるサービスの殆どは、シングルサーバーもしくは一つのインスタンスの中に複数のユーザーを取り込んで運用しています。
場合によっては、数百ユーザーという膨大な数のユーザーを一つのインスタンスで稼働させています。
共有サーバーというのは、現実的にはコストとのバランスでこの様にして運用するほうが事業者側としては得策なのです。
閲覧者にとって「表示が遅い」と思われる状況を作ってしまったり、共有サーバーが故のメリット・デメリットを伴います。
WordPress は特にデータベースが関わっており、詰め込むユーザーが多ければ多いほど処理が追いつかず、結果として表示が遅くなってしまうこともありますが、今やキャッシュの仕組みをうまく用いていたりするなど、この点についてはデメリットにはならないケースもあります。
これら無料ホームページや共有サーバーは、費用対効果を良く確認して選定する必要があります。
一般的には、無料もしくは安価でサービス提供を行っているホスティングサービスの殆どは共有サーバーであり、このような運用に該当していることでしょう。
共有サーバーといえども、うまくキャッシュの仕組みなどに配慮するなど、強固なホスティングサービスを提供している企業もありますので、昨今ではあまり心配をせず、価格相応のサービスを使うのも得策です。
マルウェア感染
過去、とあるホスティング事業者の共有サーバーを使ったお客様のサイト運用中にマルウェア感染が発生したことがありました。
その時の様子を、共有サーバーの運用でのデメリットとなるであろう事象として挙げさせていただきます。
このとき、同契約上にあった運用ドメインは10ドメインほどでした。
驚くことに、サーバーエリアのルートに感染ファイルが配置されてしまい、管理下にブランチする全てのドメインにマルウェア感染が発生してしまいました。
そして、全てのサイトが閲覧できなくなるなどを含めた影響が発生。
想定はしていなかったとされるこの事象ですが、このホスティング事業者のサービス特性から複数のドメイン運用が行える旨を謳っているため、ある意味無造作にドメインを追加してしまうことができます。
サービス利用者からすると手軽に複数ドメインを運用できるかのように見えますが、このような防ぎようのない事象に対しては、対策のしようがないのも実際のところでしょう。
あくまでも事象の一つですが、このようなことが起きてしまうと情報漏洩を起こしてしまっている可能性も否めません。
昨今では、フォームプラグインの特性からお問い合わせフォームでの送信内容がメール送信されるのみならず、Webサーバー側に保持されているケースが多くあります。この事を意識されている運営者も少ないのも事実でしょう。
ECサイト運営などは尚更ですが顧客情報を扱っているという意識を持つことが必要です。
情報漏洩ともなれば企業の信頼性の失墜につながってしまいます。しかも複数ドメインがマルウェア感染の被害にあってしまったということになりますと、極めてパンチの大きい状況になります。
そして、これらを調査、バックアップから復元するための対応コストが発生します。
もちろん、ホスティング事業者がその対応、保証してくれることはまず有りません。我々のようなSIerに依頼するしかないでしょう。
このマルウェア感染の事象は、元からシングルインスタンスで運用しておけば、まず発生はしないことであり、結果としてお高い勉強代を支払うことになります。
我々からすると予見できることでも有りますが、SIerではない一般企業のユーザーはこのことに気が回ることもなく、格安ホスティング(共有サーバー)を選択しがちです。
安かろう悪かろうという、まさにこの事が裏腹にあることを知っておく必要があるでしょう。
運用コスト
GCPのインスタンスには、確約利用割引の制度があります。運用期間がある程度分かっている場合にはこの設定をすることが重要です。
通常料金から最大で70%の割引が適用されます。
この様に、ホスティングサービス、保守費用などの運用コストは一般的には、サイトへのアクセス数、費用対効果などを十分に検討して選ぶ必要があります。
課題
GCPは現存する同類のクラウドサービスでは群を抜いて、使いやすさ、コスト面で上位に入りますが、確約利用割引の設定は慎重にする必要があります。
総括
一昔前(それでも10年前程度)に比べますと、クラウドサービスの発展により格段にWeb環境構築がしやすくなりました。
また、コスト面においても優秀で、一昔前に運用していたコンテンツを引っ越したいという要求も多いことでしょう。近年ではエンジニア単価が高騰し、移転作業も相応にコストのかかる状況となってしまいました。
WordPressはデータベースが関わっているだけあり、引っ越しにはそれ相応の知識と技術が必要になりますが、一つの方法としてプラグインを用いた引っ越しが比較的簡単に行なえます。引っ越しデータの容量制限により有償のものが殆どですが、不慣れな方や専門知識がない方は不安が付きまとうこともあるでしょう。
既に10年以上前の環境をそのまま運用しているような事業者の方も多いのも事実ですが、それらのデータを塩漬けにして最新化されないのであれば別ですが、ブログ記事などを日々運用しているといつかのタイミングで運用母体を変えたくなってくるかと思います。
GCPではこれらを加味しても十分に将来性のある環境での運用が行えるため、GCPクラウドサービスを利用することでホームページ運営者が受けるメリットは数多くあるでしょう。
GCPでは、Googleアカウント単位で運用体制を共有、および管理することができます。例えば、初めは当社におまかせいただき、タイミングを見て運営者の管理部門へそのままの状態を引き継ぎたいなど、柔軟に対応することが可能です。
WordPressで運用中のホームページの引っ越し、何かしらのCMSで運用中のホームページの引っ越し、スクラッチ制作のホームページのWordPressへの組み込み、などを含めてご検討中の中小企業様は、上記の実績例をご参考に、当社宛てにお問い合わせください。
対応実績 2017年〜2024年現在
ご要望
勘定奉行シリーズをオンプレミス環境でご利用中のお客様より、社内から物理サーバーを排除してクラウド環境へ移行したい、というご要望を受けて着手いたしました。
長らく運用をお預かりしてきましたが、諸般の事情により他社へ業務を移管し、当社では本運用を停止いたしました。
本件は、コスト安を狙ったニッチな運用ですが、お問い合わせをいただくことも多いため、ご参考までに掲示したままにしておきます。
環境構築
勘定奉行シリーズはOBC社の代理店経由での運用も多く、クラウドサービスに関してはそれら代理店が推奨する環境(AWS)における実績ベースの運用プランを掲示している企業が殆どです。
しかし、我々はあえてGCPを選択いたしました。(付け加えますとその当時、代理店はこれらに前向きでは有りませんでした)
GCP、AWS、それぞれのクラウド環境においては今回の目的に関するサービス自体には大きな差はありません。
またコスト面においてもGCPの方が有利だと思われること、我々にとっては管理および運用面での優位性などがありますが、GCPを選択した結果として特別な問題なく運用を成功に導くことができました。
本運用において、VPNトンネルを用いた接続を検証しましたが、クライアントPCがある企業内のインフラ出口にあるルーターがGCP VPNトンネルとの対応サポートがなくこれらは諦めざるを得ませんでした。(ただし、別路線でのVPN接続を実証実験中)
VPNトンネルを用いた方が、より安全な経路でクラウド環境(GCP)への相互接続が可能ですが、比較的小規模なリソースによる運用ということ、運用時間が短いなどの理由から、インターネット接続における運用を行うこととし、これらはファイアーウォールで代替えすることといたしました。
勿論のこと固定の外部IPアドレスが両端に必要となります。
GCPファイアーウォールの上りに、SQL Server の通信で必要とする、tcp:1433、udp:1434ポート、及びtcp:動的ポート(SQL Server ネットワーク構成 TCP/IPのプロパティのTCP動的ポート)をクライアントのアクセス元のIPアドレスを絡めて設定します。
また、運用当初はインスタンスのパフォーマンスがどの程度必要であるかが定かではないため、様子を見ながら設定を変更するなどしていましたが、現在これらのインスタンスは vCPU x 1、メモリ 10 GB のスペックで支障なく平常運用を行っています。
あくまで感覚的なものですが、SQL Server はメモリ領域を多く使うようで、今回のケースにおいては、この設定にてスワップが発生しない十分なメモリ領域を確保出来ています。
ディスクは SSD永続ディスクを一つのみMBRを併用して使用し、50Gからはじめ、1年、2年、3年の運用を経て 50G → 100G → 150G への増量を行うなど、データ容量増加に伴いフレキシブルな運用を行うことが出来ています。(現時点では、2Tまで増量可)
また、万が一の状況に備えて、GCP スナップショット スケジュールを設定しています。
運用中のインスタンスに何らかの障害が発生し、アクセス不能となった場合でも、これらスナップショットからは比較的簡単なオペレーションにより元々のインスタンスと全く同じ状態で復元することが可能となっています。ただし、いつの状態に遡って復元するかは、スナップショットスケジュールのタイミングに依存します。(一日毎が一般的かと思います)
また、勘定奉行シリーズの製品はクライアント側でもバックアップを取得出来る仕組みとなっており、担当者ベースでこれらの不測の事態に備えた体制での運用を行うことが出来ています。
課題
VPNトンネルを用いた運用(出口ルーターに依存)
勘定奉行シリーズ製品のアップデートによる個別対応(必要に応じたプログラムアップデートの運用代行)
総括
本件はクラウドサービスをうまく利用できた一例ですが、このような製品構成を担い安心して運用を任せられる代理店も多く存在しています。
しかし、コスト面で見合わないと思われる月額費用の発生や、溢れかえる需要に対応が追いついていないサービス提供を受けることを想定すると、自前でこれらのインフラを整えるというのは得策です。
オンプレミスサーバー運用とは似て非なる状況ではありますが、事務所内で物理サーバーを唸らせて運用しているよりもはるかに良いのではないでしょうか。
小規模リソースで運用がタイトではない、かつコスト面で見合うサービス運用を行っていきたい、とお考えの中小企業様向けには、上記の実績例をご参考に、当社宛てにお問い合わせください。