Google Cloud Platform 実績例

※ 本掲載記事は適宜アップデートされる可能性がございます。予めご了承ください。

  • Windows Server

対応実績 2017年〜2023年現在

ご要望

勘定奉行シリーズをオンプレミス環境でご利用中のお客様より、社内から物理サーバーを排除してクラウド環境へ移行したい、というご要望を受けて着手いたしました。

環境構築

必要な環境

  • Windows Server 2012 R2 Datacenter GCPインスタンス
  • SQL Server 2014
  • 勘定奉行シリーズ製品(ソフトウェア)
  • ルーター

勘定奉行シリーズはOBC社の代理店経由での運用も多く、クラウドサービスに関してはそれら代理店が推奨する環境(AWS)における実績ベースの運用プランを掲示している企業が殆どです。

しかし、我々はあえてGCPを選択いたしました。(付け加えますとその当時、代理店はこれらに前向きでは有りませんでした)

GCP、AWS、それぞれのクラウド環境においては今回の目的に関するサービス自体には大きな差はありません。
またコスト面においてもGCPの方が有利だと思われること、我々にとっては管理および運用面での優位性などがありますが、GCPを選択した結果として特別な問題なく運用を成功に導くことができました

本運用において、VPNトンネルを用いた接続を検証しましたが、クライアントPCがある企業内のインフラ出口にあるルーターがGCP VPNトンネルとの対応サポートがなくこれらは諦めざるを得ませんでした。(ただし、別路線でのVPN接続を実証実験中

VPNトンネルを用いた方が、より安全な経路でクラウド環境(GCP)への相互接続が可能ですが、比較的小規模なリソースによる運用ということ、運用時間が短いなどの理由から、インターネット接続における運用を行うこととし、これらはファイアーウォールで代替えすることといたしました。
勿論のこと固定の外部IPアドレスが両端に必要となります。

GCPファイアーウォールの上りに、SQL Server の通信で必要とする、tcp:1433、udp:1434ポート、及びtcp:動的ポート(SQL Server ネットワーク構成 TCP/IPのプロパティのTCP動的ポート)をクライアントのアクセス元のIPアドレスを絡めて設定します。

また、運用当初はインスタンスのパフォーマンスがどの程度必要であるかが定かではないため、様子を見ながら設定を変更するなどしていましたが、現在これらのインスタンスは vCPU x 1、メモリ 10 GB  のスペックで支障なく平常運用を行っています。

あくまで感覚的なものですが、SQL Server はメモリ領域を多く使うようで、今回のケースにおいては、この設定にてスワップが発生しない十分なメモリ領域を確保出来ています。

ディスクは SSD永続ディスクを一つのみMBRを併用して使用し、50Gからはじめ、1年、2年、3年の運用を経て 50G → 100G → 150G への増量を行うなど、データ容量増加に伴いフレキシブルな運用を行うことが出来ています。(現時点では、2Tまで増量可)

また、万が一の状況に備えて、GCP スナップショット スケジュールを設定しています。

運用中のインスタンスに何らかの障害が発生し、アクセス不能となった場合でも、これらスナップショットからは比較的簡単なオペレーションにより元々のインスタンスと全く同じ状態で復元することが可能となっています。ただし、いつの状態に遡って復元するかは、スナップショットスケジュールのタイミングに依存します。(一日毎が一般的かと思います)

また、勘定奉行シリーズの製品はクライアント側でもバックアップを取得出来る仕組みとなっており、担当者ベースでこれらの不測の事態に備えた体制での運用を行うことが出来ています。

課題

VPNトンネルを用いた運用(出口ルーターに依存)
勘定奉行シリーズ製品のアップデートによる個別対応(必要に応じたプログラムアップデートの運用代行)

総括

本件はクラウドサービスをうまく利用できた一例ですが、このような製品構成を担い安心して運用を任せられる代理店も多く存在しています。

しかし、コスト面で見合わないと思われる月額費用の発生や、溢れかえる需要に対応が追いついていないサービス提供を受けることを想定すると、自前でこれらのインフラを整えるというのは得策です。

オンプレミスサーバー運用とは似て非なる状況ではありますが、事務所内で物理サーバーを唸らせて運用しているよりもはるかに良いのではないでしょうか。

小規模リソースで運用がタイトではない、かつコスト面で見合うサービス運用を行っていきたい、とお考えの中小企業様向けには、上記の実績例をご参考に、当社宛てにお問い合わせください。

  • Linux Server

対応実績 2016年〜2023年現在

要件

自社のホームページを立ち上げたい

環境構築

必要な環境

  • Linux Server (debian)
  • Nginx
  • WordPress

当社では、ホームページを立ち上げたい、というご依頼を数多くいただきます。

この内容は、これまでに関連するご依頼を過去に遡って総合的な観点から取りまとめたものと、現在に至るまでの対応を織り交ぜて記事としております。


一言に、ホームページと言っても依頼者(ホームページを立ち上げたい人)と閲覧者(見ている人)では、ホームページに対する考え方が全く異なってきます。

実は、ホームページを立ち上げたい人にとっては、立ち上げようと思った瞬間からものすごく大変な作業が待ち構えていることになります。
他力本願では満足度の高いホームページが出来上がることはないでしょう。

例えば、自社の情報を掲示したいときに、その全体構成から情報を取りまとめ、最終的には色合いやデザインまでを判断しなければなりません。当社のような組み込み作業者の立場とは実務作業が異なりますので、別の労力を伴ってきます。

今や、無料ホームページを謳ったサービスも数々ございますが、例えこれらサービスを利用したとしても、依頼者自身の思考がまとまっていなければ何も出来ないのです。

まず重要であるのは、どのような情報をホームページ化したいのかを改めて考えて整理していくことでしょう。

ホームページではこれらの情報を広く(世界に)宣伝する事が目的の一つとなります。情報を細分化していった場合にメニュー化や文章化が出てきます。

ホームページ化をするにあたってこれらの題材が無ければ、もちろんのこと内容が無いわけですからホームページ化は容易なことでは有りません。

近年は、写真などにより主たるアピールが行えるようにはなってきましたが、
見栄えの良いホームページ、閲覧者に見てもらえるホームページ、とはデザイン面のほか、的確にメニュー化されていて内容の伴う情報が掲載されているホームページにすることであり、これ以外に他なりません。

これら題材がある程度整ったとして、次は色合いやデザインを決めていくことになるでしょう。これとは逆に、デザインフレーム(器)だけを用意してそこに情報を考えて組み込んで行く制作方法もあり、WordPressを使う場合はこの手法が当てはまるケースもあります。

当社ではデザインを生業としていないため、込み入ったデザインが必要な場合にはパートナー企業にこれらを発注する流れをとっています。

近年では、CMSツールとして優秀な WordPress のデザインテンプレートを用いることで、これら代替えがある程度は効く状態になってきました。(見栄えを比較的簡単に整えられます)

しかし、企業体やサービスによっては、重要な「企業ロゴ」をしっかり作成しなければなりませんので、これらは専門的なデザイン知識が必要になってきます。

題材(情報)が整った後に、これらをホームページとして WordPress に組み込んでいきます。

GCPインスタンスに環境構築する際は、デプロイメントマネージャー(DEPLOY MARKETPLACE SOLUTION)を用いて、必要なソリューションを組み込むと楽です。イチから環境設定をしたい特殊なケースは別ですが、Webサーバー程度の場合にはこの仕組を用いるのが最良でしょう。これこそがGCPを使う一つの醍醐味でもあります。
ある程度パッケージ化されたソリューション(例えば今回のように、Linux Debian OSに Nginx と WordPressをパッケージ化したソリューション/もちろん動作検証済み)などが豊富に存在しますので、慣れるまで選択には苦労しますが、何度かチャレンジしているとこの便利さは外せないものとなります。

WordPress はここ近年のアップデートによりとても良く出来たフレームワークとなっており、CMSツールとしては世界の市場シェアの39%という 統計も出ています。

何かしらのフレームワークを用いることは、制作側と依頼者側とのやり取りにおいても時間的な短縮が見込めます。プレビューを提供すること(制作段階の擦り合せ)が当たり前の作業内容となっていることも有り、制作側としても有用な仕組みが備わっていると感じます。
WordPressなどのCMSツールを使わずしてスクラッチでHTMLやCSSを用いてコーディングすることは、現代では限りなく少なくなっているのかもしれません。

WordPressでは、ホームページを構成するデータの蓄積にデータベースとしてMySqlを用いています。これは古くからあるとても優秀なデータベース製品ですが、実際のところ閲覧者は意識をすることが殆どないことでしょう。実はこれらの製品は全て無償で利用できるものです。そもそも、これらを動作させる母艦OS(Linux distribution)こそ無償であり、Web Server(Nginx)も無償なのです。

話がそれましたが、これらの複数のソフトウェアを無償で利用できる恩恵を受けてホームページ公開を行うわけですが、無償で有るが故に運用中に何かが起きてもこれらは利用者の責任となります。頻繁では有りませんが、セキュリティアップデート(脆弱性対応の更新)などで製品の更新が必要となってくるケースがあります。これらは出来る限りの対応は全て当社にて行っています。

当社では、基本的にWordPress等、データベースが必要な場合はシングルインスタンス(一つのインスタンスで複数のユーザーを取り込まない状態)で提供する方針としています。冗長性を持たせたいシステム構成の場合はまた別となります。
この方針は、閲覧者から見たときに「遅い」ホームページだと思わせないための配慮でも有ります。

冒頭にも書きましたが、無料ホームページなるサービスの殆どは、シングルサーバーもしくは一つのインスタンスの中に複数のユーザーを取り込んで運用しています。
場合によっては、数百ユーザーという膨大な数のユーザーを一つのインスタンスで稼働させています。信じられないかもしれませんが共有サーバーというのは、現実的にはコストとのバランスでこの様にして運用するほうが得策なのです。
もちろんこれは、閲覧者にとっては「遅い」と思われる状況を作ってしまう要因となります。そうですね、これら無料ホームページ、もしくは共有サーバーなのですから仕方が有りません。

WordPressは特にデータベースが関わっており、詰め込むユーザーが多ければ多いほど処理が追いつかず、結果として表示が遅くなってしまいます。無料とは言わずとも、一般的には安価でサービス提供を行っているホームページ運用サービスの殆どはこの運用に該当していることでしょう。

GCPのインスタンスには、確約利用割引の制度があります。運用期間がある程度分かっている場合にはこの設定をすることが重要です。通常料金から最大で70%の割引が適用されます。

課題

GCPは現存する同類のクラウドサービスでは群を抜いて、使いやすさ、コスト面で上位に入りますが、確約利用割引の設定は慎重にする必要があります。

総括

一昔前(それでも10年前程度)に比べますと、クラウドサービスの発展により格段にWeb環境構築がしやすくなりました。

また、コスト面においても優秀で、一昔前に運用していたコンテンツを引っ越したいという要求も多いことでしょう。近年ではエンジニア単価が高騰し、移転作業も相応にコストのかかる状況となってしまいました。

WordPressはデータベースが関わっているだけあり、引っ越しにはそれ相応の知識と技術が必要になりますが、一つの方法としてプラグインを用いた引っ越しが比較的簡単に行なえます。引っ越しデータの容量制限により有償のものが殆どですが、不慣れな方や専門知識がない方は不安が付きまとうこともあるでしょう。

既に10年以上前の環境をそのまま運用しているような事業者の方も多いのも事実ですが、それらのデータを塩漬けにして最新化されないのであれば別ですが、ブログ記事などを日々運用しているといつかのタイミングで運用母体を変えたくなってくるかと思います。

GCPではこれらを加味しても十分に将来性のある環境での運用が行えるため、GCPクラウドサービスを利用することでホームページ運営者が受けるメリットは数多くあるでしょう。

GCPでは、Googleアカウント単位で運用体制を共有、および管理することができます。例えば、初めは当社におまかせいただき、タイミングを見て依頼者の管理部門へそのままの状態を引き継ぎたいなど、柔軟に対応することが可能です。

WordPressで運用中のホームページの引っ越し、何かしらのCMSで運用中のホームページの引っ越し、スクラッチ制作のホームページのWordPressへの組み込み、などを含めてご検討中の中小企業様は、上記の実績例をご参考に、当社宛てにお問い合わせください。