Amazon Web Services 実績例
※ 本掲載記事は適宜アップデートされる可能性がございます。予めご了承ください。
対応実績 2019年〜2020年
ご要望
ドキュメント管理システム(Ridoc Dosument System)をオンプレミス環境で運用中のお客様より、社内から物理サーバーを排除してクラウド環境へ移行したい、というご要望を受けて着手いたしました。
環境構築
オンプレミス環境であろうと、クラウド環境であろうと、Windows Server OS自体の動作に大差はなく、ネットワークトラフィックがどの程度になるのかを考慮すること必要です。
今回のケースでは、複合機から取得したファイルが数M〜数百M程度になることから、どの程度ネットワーク帯域が圧迫されるのかが気になるところでした。
複合機は一台のみではなく複数台あるため、仮にこれらよって同時に連続してファイル送信(いわゆるファイルコピー)が処理されますと確実にネットワーク帯域を圧迫します。
測定ツールでは、インターネットの上り/下りともに800Mbps程度が出ており、とても優秀な環境でした。
VPNについては、ルーター + AWS Site-to-Site VPN の相性が良かったことも有り、特別な苦労をせずにトンネリングが完成し、BGPピアも安定しておりました。(接続が切れて運用に支障が出るような事は全くありませんでした)
AWSには、リザーブドインスタンスという設定があり、運用期間がある程度分かっている場合にはこの設定をすることが重要です。おおよそ EC2インスタンスの運用費が1/2程度に収まります。
課題
本案件は既に運用を停止しています。
総括
AWSなどのクラウドインスタンスを運用する場合、クラウドのSLA(サービス品質保証)は100%ではないことを認識することがとても重要です。
これは、クラウドインスタンスに接続できなくなる、またはインスタンスダウンの可能性を示していますが、実際にこの上記ケースにおいて、AWSの大規模障害というAWS史上でも稀なケースに遭遇してしまいました。
実際に、障害に遭遇したあと、その日が偶々平日であり丸1日はRidocが使えなくなるという事象に陥りました。
その後に、興味本位でAWSのサポートに問い合わせたところ、結果として障害により1日程度利用できなくなったとしても、利用規約上の保証枠となり、利用料の返金や賠償等は全く有りませんでした。
この様に実際に現場が困り果てる障害においても、全体枠のSLAで測られてしまうため、クリティカルな業務においては他のクラウドサービスを併用するなど冗長性を持たせた構成を考慮すべきです。何れにしても万が一の対策は必要となります。
事業所の都合により現在はRidoc自体の運用を停止しておりますが、クラウドサービスを有効に利用できるという例としては有用な内容ではないでしょうか。
上記のRidocの例に限らず、ファイル転送等を利用したクラウドサービスの運用をご検討中の中小企業様は、上記の実績例をご参考に、当社宛てにお問い合わせください。
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